福祉の現場
キーナー社の商品のほとんどは、チューリッヒの郊外にあるチューリッヒ市立の更生園に併設されている木工所で生産され、そこでは社会への復帰を目指す障害を持つ人達が、時間に追われる事なく自分達のペースでじっくり色々な物作りに励んでいます。経済性より人間の心を重んじる特別の恵まれた環境のなかで、50余名の人たちが、自分の分担の仕事に、それぞれのペースで黙々と、でも満ち足りた様子で取り組み、そこには明るく清潔な空間があると同時に、人間の尊厳とは何かを改めて感じさせてくれる厳粛な世界があります。施設の責任者や技術の指導者たちの最大の課題は、患者の心のケアを最優先し、社会に順応できなかった弱者を守ることです。
キーナー社のスタイル
現在キーナー社のプログラムは、上記の木工所で作られたものが主流、それに加えて他の製作所に外注したもの、キーナーさんのデザインをライセンス契約で他社が生産したもの(例 : Kugelbuch や Mobileの一部)の3種で構成されています。配送センターはチューリッヒの市街の教会が所有するビルを借用。整然とした明るい快適な配送センターに、商品が1ヵ月分の需要を見積もって随時木工所から配送され、ここでは、2人の女性がヨーロッパの小売店への出荷業務のほとんどすべてを処理しています。キーナーさんの玩具は、すでに8万点以上が、世の中に出て行ったといわれていて、美しい木製玩具を探している人は、必ずといって良いほどキーナーさんの名を知っています。しかし、メーカーとしてのキーナー社は驚く程小さいチームで運営されています。このことは良い仕事は会社が小さくても世界的に名が知られていくことを証明しているといえるでしょう。
カトリン・キーナー氏からのメッセージ

『子どもの世界に国境などありません。おもちゃ作りを通して世界の子どもたちと出会ってきた25年は、私にとって素晴らしい体験の積み重ねの日々でした。自分の好きな絵をかくことから始まり、現在は世界中の人々と仕事をし、生活していることに、まるで蜘蛛が巣を作り上げたような驚きと喜びを感じています。これからも、自分の世界を広げてゆくため、ベストを尽くします』