第4回かたるべアンデパンダン展に行ってきました
この写真きれいですね。かたるべの森のメンバーが、Tシャツに絵を描いたものを天井から吊るしたものです。
シャツはアートたりうるのか。これはとても深い問題です。まず、その起源を考察するのが糸口になりそうですが、これは本当は全然複雑なことじゃなくてむしろ単純、つまり、畢竟人間には羞恥心というやっかいなものがあるので、すっぽんぽんのまま往来を歩くわけにはいかない、じゃあどうしよう、なにかいい方法はないかね、となったときに、まあ最初は葉っぱやらなにやらをちょんと付けていたものが先人達の工夫により全身を覆うものへと進歩し、現在では人はイ地点からロ地点まで移動するといった場合はシャツをまとい携帯電話を所持し、畜肉サンドと揚げ芋をくらいながら、楽しいな、嬉しいな、という具合に歩きます。まだここまでは羞恥心の必要に迫られて体を隠すという意味での「シャツ」なので、それだけではシャツはアートにはなりませんで、ここからもうひとひねり必要で、そこではやはり人間であるところの虚栄心というものが効いてきます。人はその生活を自分一人のみにより成り立たせることは、不可能とは言えないまでも酷く難しいことから集住の傾向が強く、よって他人と顔を合わせることも自然多くなり、往来で人とすれちがったとき、なんだこいつかっこ悪いと言われるよりも、まあ素敵と言われたいと願う気持ちの強い人の方が多いので、そこで頭をひねった結果、体の一番面積の広い胴の部分を覆うキャンバスとしての「シャツ」に目をつけ、そのキャンバスに趣向をこらすこととなったのです。それがTシャツアートの起源であり、しこうしてかたるべの森アートシャツプロジェクトへと連なる。というわけです。
フジテ○ビ? 几帳面ということ。
上のギャラリーの三枚目をご覧ください。フジテレ○です。お台場の。こちらは窯業科で作業をしている方の、素焼き粘土による作品です。正確に再現された3D作品です。個人的なイメージですが、たかしくんの友人には、豪放磊落に生命をそのまま表現するタイプと、細部に宿る神を命を賭して追い求めるタイプの、二種類のタイプの人がいるように思います。このフジ○レビの方は後者だと思います。そして僕は、そういう几帳面さが大好きです。例えば本というものから情報の多くを摂取し自己を涵養せねばならぬという現代的焦燥を共有する一人として自分も多少本を持っていますが、本を持っていれば、捨てたり焼き払ったりするのでない限りそれはそこにありつづけるので、さあ寝ようかと電気を消した室内で手元が狂い枕元のちろりを倒して大切な情報源をぐずぐずにふやけさせないためにも、その本はそれにふさわしい本棚に収納するのが筋ですが、収納しようとブックカバーの背表紙をこちらに向けて既存の本と本の間に差し込む際、これは絶対に、その本の角の部分が差し込むことによって折れてしまってはいけないし、さらにブックカバーがちょっと上もしくは下にずれていて、差し込むときにその余ったブックカバーが本棚の棚板と本自体によりぐちゃぐちゃにされながら差し込まれるなど、絶対に嫌なのです。なぜこんなことをことさらに強調するのかというと、この間かたるべの森に行ったとき、メンバーの方が自分と同じこと(本棚にある本を引き抜いて、角及びブックカバーが折れていないか確認し、また差し込み、その差し込んだ動作により角及びブックカバーが折れてしまっていないか確認するためにまた引き抜く、という動作)をしていて、それすごくわかる! と思ったから。僕は、感動を覚えるくらいにこの道を突き詰めた人を知っています。その彼はタクシーマニアで、道内のタクシー会社をすべて覚えていて、タクシーのナンバーを自然に暗記し、それをノートにまとめ、タクシーしかいない架空の街一つを自分の頭の中に作り上げていました。人のいない街をひしめき合いながらしのぎを削る黄色いタクシー群を想うと、くりんくらんとしては、そういう才能に熱いエールを送りつづけざるを得ません。
でももう終わっちゃたんだ、アンデパンダン展。
今年はもうおしまいです。なのでもし興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひ来年いらしてください。今回はアンデパンダン展のご紹介でしたが、普段からギャラリーかたるべはだれでもが訪れて楽しい場所です。パンもおいしいし(森のスペシャルがおすすめです、ナッツだらけでリスの気分になれます)、コーヒーもおいしいです。なので、ぜひ。
情報:かたるべの森とは?
社会福祉法人 当麻かたるべの森
場所 上川郡当麻町5条東3丁目7−25(当麻中学校隣)
Tel 0166−58−8070
e-mail kata2007@gray.plala.or.jp
日中の活動の場としての作業所を拠点とした周囲6万6千坪に及ぶ広大な森林は、知的ハンディキャップを持つ人の芸術活動の場。木工・陶芸・ さをり工房などの施設や、さらに宿泊施設・コンサート会場を設置し、ハンディキャップをもつ人・もたない人、誰でもが気軽にやって来て、語り合い交流できる場所である。
[...] 以前、「かたるべアンデパンダン展」でお伝えしたように、かたるべの森では障がいのある人たちの芸術活動を地域へとつなげる方途を長年にわたり模索してきました。その努力がこう [...]