この記事は、くりんくらんのお友達や有志の方々がいろいろなことを喋る「みんなのはなし」カテゴリーです。
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いのちの食べ方
Our Daily Bread (邦訳:いのちの食べ方)[2005]というドキュメンタリー映画の話です。
僕らは普段いくつもの手順を経て加工された肉や魚や米を食べています。その加工課程とそこで働く人々の様子を、一切セリフやBGMを入れずに映し出した映画です。
特に養鶏などがわかりやすかったですが、すでに畜肉産業も農業的な段階に入っていて、種を撒いて成長したら刈り取るのと同じプロセスで鶏が肉になります。卵から孵ったひよこはベルトコンベアにのせられて育舎に移され、そこで成長した鶏を収穫するには、バタバタ逃げる鶏を大きな掃除機みたいので右から左へ吸い取って、加工用のゲージに収めていきます。魚も牛もだいたいおなじような手順で肉になっていく課程がよくわかります。日々の暮らしの外にある、あるいは日々の暮らしから排除されている、普段見れないものが見れる映画です。
でも、本当は人間の物語
そこでは人も働いています。牛とかデカいのは構造が複雑なので解体に人手が必要です。あと、ボタンを押したり問題が起きたときのためにそこに詰めています。
そして人間はものを食べます。一仕事終わって昼メシを食べてるその様子を、視聴者がカメラになって観察できます。あまり楽しくなさそうに一人で食べています。パンを一口食べて飲み物を一口含んでそれから全部を飲み込むという作業を一定のペースで続ける生き物。この数分のシーンが何か所かにあって、いろんな食べる姿があるんだなと心打たれます。監督はこれを撮りたかったんじゃないかしら。
いのちの食べ方?
自分はこれの邦題を「いのちの食べ方」にしてしまうセンスが疑問です。なんか偽キリスト教趣味というか、そのままでいいものに無駄な色をつけてしまってるという意味で。
だってそういう映画じゃないもん。「生き物に感謝しましょう」「私たちは命をいただいてるのです」、という映画なら、僕は映画館を飛び出して居酒屋に行って豚足を食べてたと思います。豚足すきなので。人間にとって、問題の焦点は常に人間で、おもしろいものも常に人間です。





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